
ADHDの人は注意の持続が困難だったりし、細部に注意が向かないために、仕事や家事でケアレスミスや物忘れが多いです。また、しばしば、約束の時間に遅れたり、約束を忘れたり、締め切りに間に合わなかったりします。
子供のときに見られたような顕著な多動性や衝動性は一見目立たなくなりますが、待たされた時などにイライラして落ち着かなかったり、人の話を最後まで聞くことができず、さえぎって一方的にしゃべってしまったりするような形で現れたりすることがあります。
ADHDの大人は本人の人間性や知能などに問題はないのに、社会適応性が悪かったり、親密な人間関係の持続が困難になったりするために悩むことに多くなりがちです。そのために、自尊心が低下して、うつや不安の状態になることが多いといえます。
子供のADHDについてはよく知られていますが、ADHDは大人になっても持続して存在する問題です。ADHDは、質的な問題というよりは、量的な問題といえます。つまり、注意・集中力は個人差が大きく、注意・集中力に秀でた人から、普通の人、グレーゾーンの人、ADHDの診断基準に当てはまる人まで幅広く存在しているのではないかと考えられるのです。ADHDの診断基準に当てはまる人の割合そのものは10%未満でしょうが、注意・集中力の問題は案外多くの人にとっては無関係と言えないかもしれません。
・ADHDの症状
治療
先に述べましたようにADHDは、質的な問題でなくむしろ量的な問題ですから、ADHDの人も注意力を高めていくことは可能と考えられます。
薬物治療としては、中枢神経刺激薬を副作用に注意しながら使用します。ADHDの人はいわば頭の中が整理されていないような状態で常に過ごしていますので、必要な時に集中するという習慣が少なくそのコツすらつかめぬままにいます。中枢神経刺激薬を使用して注意・集中力が高まった状態を体験すれば注意・集中力の大切さを実感しそのコツを体得しやすくなるように思われます。
またADHDの人は、他の人と同じような日常生活や社会生活をしていても、注意・集中力が弱く「気づく」ということが他の人より少ないために、経験や知識として蓄積されていくことが 少ないということになりがちです。適切な量の中枢神経刺激薬を持続的に使用すればこのような問題も改善されるように思われます。
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