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日本は、世界で最も平均寿命の高い国ですが、同時に、高齢化のスピードも最も速い国です。痴呆は加齢とともに急速に増え,65歳以上の老人では、4〜5%に痴呆がみられ、85歳以上にいたっては4人に1人が痴呆だといわれています。昨今、痴呆老人を介護する人に大きな負担がかかることが、社会問題となっています。そういう意味でも、痴呆の予防や克服が今後の重大な課題といえます。
脳神経細胞を傷害してその活動を低下させる病気はすべて痴呆の原因となりますが、老年期痴呆の原因疾患として、アルツハイマー病と脳血管性痴呆が老年期痴呆の大多数(90%程度)を占めます。かつては、欧米で、アルツハイマー病が圧倒的に多いとされているのに対し、わが国では血管性痴呆の方が多いとされていました。しかし、最近の調査では、日本でもむしろアルツハイマー病の方が多いといわれるようになってきています。
アルツハイマー病とは、初老期・老年期に発症し、脳内の神経細胞の消失や老人班・神経原線維変化といった特徴的な病理学的変化のために、進行性の痴呆症状をきたす疾患です。一方、脳血管性痴呆とは、脳卒中(脳梗塞・脳出血)後に、生じる痴呆を意味しますが、このうち、脳梗塞の多発による痴呆(多発脳梗塞性痴呆)が大部分を占めます。アルツハイマー病と脳血管性痴呆のいずれの痴呆も、脳の老化と密接な関係があります。
アルツハイマー病と脳血管性痴呆以外で痴呆をきたす原因として,治療可能な痴呆とも呼ばれているものが重要です。治療可能な痴呆には、甲状腺機能低下症、低血糖、ビタミン欠乏症などの内科疾患や慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症などの脳外科的疾患が含まれます。
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