心の病気
うつ病3・・さまざまなうつ
うつ状態の分類
女性とうつ病
身体疾患とうつ病
高齢者とうつ病
その他の問題
うつ病にかかった時の飲酒問題について
・うつ状態に続く軽いそう状態に注意してください
うつ病1・・うつ病の症状、うつ病の原因
うつ病2・・うつ病の治療
睡眠障害
不安障害
老年期痴呆

logo
うつ状態に続く軽いそう状態に注意してください

うつ病の症状は、治療を受けていても比較的ゆっくりと改善するのが普通です。症状が一週間もたたないうちに急激によくなったり、悪くなったりということは、ふつうはありません。もしうつ病がこのような短期間に、急激によくなったとしたら、喜んでよいというよりむしろ要注意です。特に、その後に軽い「そう状態」(軽そう状態)が現れないか注意してください。

 うつ状態のエピソードと軽そう状態のエピソードをくり返す場合(どちらの状態も過去に少なくとも一回以上存在した場合)は、
双極II型障害という病気の可能性があります。

 軽そう状態の存在は、よほど気をつけてみていないとわからないことが多いものです。活動的、社交的になったり、仕事面での成果があがるなどの肯定的な側面が評価されるのみで、気分の周期があることは見落とされたり、周囲も性格的な特性だと誤ってとらえていたりするからです。従って、軽そう状態のエピソードがわからないために、双極II型障害を単なるうつ病と誤って診断されていることも意外に多いのではないかと考えられます。

 なぜ、双極II型障害とうつ病の区別が大切かといいますと、両者は違う疾患単位と考えられるうえ、治療法も異なるからです。

 うつ状態を呈していても、双極II型障害と考えられる場合は、抗うつ剤のみの治療はおこなわず、
気分安定薬(リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸)を用いた治療を優先するのがふつうだからです。

 うつ状態のコントロールがなかなかうまくいかないままに経過したのちに、軽そう状態のエピソードが現れて、うつ病ではなくて双極II型障害とわかり、治療法を改めてからコントロールがうまくいくことはしばしば経験することなのです。

 双極II型障害の発生率は、人口の0.5%程度で男性より女性に多いといわれています。


軽そう状態について

 軽そう状態では、エネルギーがたかまった状態で、多弁傾向になったり社交性が増したりします。仕事面でも、精力的にこなすために、すばらしい成果があがることがよくあります。このように、一見、明るく活動的なため、よい印象を受けるかもしれません。しかし、よくみてみますと、軽佻浮薄である、気分のむらがあり些細なことで怒りっぽくなる、あるいは、浪費傾向がめだつというような問題点が浮かびあがってきます。逸脱行動のために、社会的な信用を落とすこともあります。

 軽そう状態か否かの判断はなかなか微妙です。例えば、やや冗談が過ぎ軽薄な印象を受けるが、反面、精力的で仕事面でも有能なのは、その人、本来の持ち味か、それとも軽そう状態によるのかが判然としないことが多いからです。この点、完全なそう状態の場合は、その症状の極端さは誰の目にも明らかですので、判断に迷うことはありません。軽そう状態では、本人は「自分は成長して、能力が高まった」、「この状態が本来の自分だ」などと考えて自信をもっており、病的な状態であるとの自覚はまったくないことがほとんどです。

 双極II型障害の診断では、うつ状態に加えて軽そう状態のエピソードが過去にあったか否か判断する必要があります。しかし、本人に聞いても、軽そう状態があったのかどうかの判断はつきにくいことが多いのです。医師がその可能性を念頭においてみていると、経過などからおおよそのことが推定されることもありますが、確かな判断をするには、家族から本人についての詳細な話を聞くしかないのです。

 
トップに戻る

back


Copyright ©2002 Nakao Clinic. All rights reserved.