●双極性障害

 

    躁とうつを繰り返す病気を、双極性障害(躁うつ病)といいます。躁のときは、気分が明るくなり意欲が高まった状態になり、休まずに働き続けたりします。しかし、あまり躁状態が強くなると、気持ちが大きくなって借金を重ねたり、周りの人とトラブルをおこしたりするようになります。


 うつ病の症状は、治療を受けていても比較的ゆっくりと改善するのが普通です。症状が一週間もたたないうちに 急激によくなったり、悪くなったりということは、ふつうはありません。もしうつ病がこのような短期間に、急激によくなったとしたら、喜んでよいというより むしろ要注意です。特に、その後に軽い「そう状態」(軽そう状態)が現れないか注意してください。


うつ状態のエピソードと軽そう状態のエピソードをくり返す場合(どちらの状態も過去に少なくとも一回以上存在した場合)は、双極II型障害という病気の可能性があります。

軽そう状態の存在は、よほど気をつけてみていないとわからないことが多いものです。活動的、社交的になったり、仕事面での成果があがるなどの肯定的な側 面が評価されるのみで、気分の周期があることは見落とされたり、周囲も性格的な特性だと誤ってとらえていたりするからです。従って、軽そう状態のエピソー ドがわからないために、双極II型障害を単なるうつ病と誤って診断されていることも意外に多いのではないかと考えられます。

なぜ、双極II型障害とうつ病の区別が大切かといいますと、両者は違う疾患単位と考えられるうえ、治療法も異なるからです。

うつ状態を呈していても、双極II型障害と考えられる場合は、抗うつ剤のみの治療はおこなわず、気分安定薬(リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸)を用いた治療を優先するのがふつうだからです。

うつ状態のコントロールがなかなかうまくいかないままに経過したのちに、軽そう状態のエピソードが現れて、うつ病ではなくて双極II型障害とわかり、治療法を改めてからコントロールがうまくいくことはしばしば経験することなのです。

双極II型障害の発生率は、人口の0.5%程度で男性より女性に多いといわれています 。

 

 

双極性障害についての説明の図